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早産の赤ちゃんに起き易い 『動脈管開存症』 についてである。

成熟児でも、生まれつきの心臓の病気として、見つかる事もある。

なかなか字で書くと、心臓の病気を説明するのは難しい。
実際の説明では、絵を書きながら話している。

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母親のお腹にいる赤ちゃんは、母親の胎盤も含めて体の血液循環を行っている。

赤ちゃんは、母親のお腹の中にいる時と生まれた後では血液の流れが異なる。


胎盤からの血液は既に酸素が充満されていて、お腹にいる赤ちゃんは、
自分の肺に血液を送る必要がない


つまり、肺動脈の血液は直接、大動脈へと流れていく。

この肺動脈と大動脈を結ぶ太い血管を 『動脈管』 という。


お腹の中では、
心臓(右心室)→肺動脈→動脈管→大動脈→全身、または卵円孔を通り、
右心房→左心房→左心室→大動脈→全身、と血液は流れる。


出生後は、
心臓(右心室)→肺動脈→肺→肺静脈→心臓(左心房→左心室)→大動脈→全身、
と血液は流れる。



 『動脈管開存症』の図
 東大病院小児集中治療室(PICU) 参照
 http://picu.umin.jp/pda_page.htm


出生後、肺での呼吸が始まると循環が変化し、動脈管の役割は無くなり、
通常は、出生後1-2日で自然に閉じる


この閉じるはずの動脈管が開いたままになるのが 『動脈管開存症』 である。

早産児では、出生後もこの動脈管が開いたままで、閉じ難い事がある。

成熟児の場合、『動脈管開存症』 単独の異常の場合もあれば、
何か他の先天性心疾患を合併している事もある。


『動脈管開存症』 が続くと、大動脈から全身に送られるはずの血の一部が、
動脈管を通って肺動脈へ逆流し、肺へ流れ込んでしまう。

このため、肺へ行く血液が多くなり、肺に負担がかかる


肺と心臓をグルグル廻る血液が多くなる。


いわゆる、『心不全』 の状態に陥る事になる。


また、全身への血液が減れば、内臓への血液も減り、尿量低下、なども来たす。

肺への血流が多い状態が持続すると、
肺動脈圧が上昇し肺高血圧症、肺出血、などを来たす。


肺動脈に逆流する血液の量が多いほど肺への負担が増すので、
動脈管が太いほど早く重い症状が現れる。


動脈管が細く、軽症であれば症状も軽く済む。


『動脈管開存症』は心臓超音波検査で確定診断がつく。
動脈管の太さ、心不全傾向かどうか、なども評価出来る。


動脈管の程度により、『薬物療法』か、『手術』か、を選択する事になる。


『薬物療法』 では、まずは水分制限、利尿剤等で治療を行うが、
それでも閉鎖傾向を示さない時には、インドメサシンという薬を使用する。

インドメサシンを使用した多くの症例において、
9割程の赤ちゃんで動脈管の閉鎖または症状の改善を認めたとの報告がある。

今では、一般的に広く認められた治療である。


しかし、未熟な赤ちゃんに使用するため、血糖値が下がる、腎臓への負担、
出血しやすくなる、などの副作用も報告されている。


インダシンの使用にもかかわらず動脈管が閉じなかったり、副作用の危険性が高く、インダシンが使用出来ない場合は、動脈管をしばる 『手術』 を行う。


手術は比較的危険性が少なく最も確実な方法である。
動脈管は心臓の外の血管のため、手術には人工心肺装置は必要ない。



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