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インフルエンザワクチンの時期になって、外来でも質問が多くなってきた。

『インフルエンザワクチン打った方が良いですか?』

かなり難しい質問である。

この記事は昨年のものであるが、再度更新する。



インフルエンザ関係の記事は、2006年 のものであるが、

インフルエンザ治療薬 『タミフル』 については、

 『インフルエンザ治療薬 タミフルについて』
 『タミフル:インフルエンザの季節控え、多用ご注意』 
 『タミフルと異常言動』
 『転落死の中2、タミフル服用か インフルエンザで 愛知』
 『中2がタミフル服用後に転落死 仙台』
 『タミフル:転落死との因果は未解明 では、どう付き合えば』
 『タミフル 10代の使用制限』
 『14歳男児 タミフル服用せず飛び降り』
 『タミフル服用10歳未満でも異常23件』 
 

その他のインフルエンザ関連の記事では、

 『インフルエンザ』
 『インフルエンザ治療薬 リレンザについて』
 『乳幼児のインフルエンザワクチン』
 『インフルエンザ 感染の予防』           など参照。





 ↓ クリック宜しくお願い致します。
  

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インフルエンザワクチン

これまでの幼児のインフルエンザワクチンの有効率の報告では、
平成14年度の厚生科学研究で有効率 24-28%
その他の報告では、7歳以上で 78%、2歳-7歳では 54%、3-9歳では 56%
3歳未満で 79%、などと、様々な報告がある。


成人 では、米国にて、施設入所高齢者は予防接種を受けることにより、
死亡の危険を80%、入院の危険を50-60%、発病の危険を30-40%程度、
低下させると報告がある。

自宅で生活している60歳以上では、58%程度の発症予防効果が報告されている。

成人の報告では、有効率は 40-70% でばらつきがある。


日本小児科学会 予防接種感染対策委員会では、
これらの乳幼児の有効性の報告を総合的に検討し、我が国における現行の
インフルエンザワクチンについて、

『1歳以上6歳未満については、インフルエンザによる合併症のリスクを鑑み、
有効率がおよそ20-30%であることを説明した上で
任意接種 としてインフルエンザワクチン接種を 推奨 する事が、
現段階で適切な方向であると考える』、としている。


幼児について一定の効果は見られる が、
 その 有効性は十分に高いものではなく
 全ての幼児に、現行のワクチンを現行の方法で、定期接種のように
 勧めるべき程のものではない』 ため、『任意接種』 としている。


米国では、2006-2007年シーズンから、6-59カ月児の場合には、
入院率の減少など 重症化予防に効果がある として、
インフルエンザワクチン接種を広く勧めている。



乳児については、十分な評価は出来ていないのが現状である。

1歳未満の有効性は認められていない、という報告もある。


日本小児科学会 予防接種感染対策委員会では、さらに、

『乳幼児はインフルエンザに対してはハイリスクであり、本人のみならず、
 取り巻く周囲の人々、家族、同居者、保育園、保育士、教職員など
 関係者への接種も併せて実施する事が、感染の機会を減らすうえで大切である』、
ともしている。


また、基礎疾患を有する乳幼児については、

『インフルエンザ感染により重症化が容易に予測されるような場合には、
 ワクチン接種は健康乳幼児より強く勧められる』、としている。


インフルエンザ脳症に関して、インフルエンザワクチンによるインフルエンザ脳症の
発症阻止、あるいは、脳症の重症化予防については、現時点では、

ワクチンの効果は不明 である。
 ワクチンの有効率が20~30%ではあるが、
 感染が減ずれば脳症発症の可能性のリスクも減じることは出来るので、
 その分ワクチン接種の 意義はある』、と考えられている。


もちろん、ワクチンの副作用はゼロではない。


卵アレルギーのこどもに対するインフルエンザワクチンの接種については、
『卵アレルギー児のワクチン接種』 参照。


実際問題、接種の効果はあるが、有効率は高くなく自費 である事、
2回接種 で痛い事、カゼの流行期に病院に行くという危険・煩わしさ、
を考えると、積極的にお勧めは難しい。

保育園など 集団生活 を営む場合は、接種をより考慮して頂きたい。

『タミフル』 を決して飲みたくない と思う親御さんは、
インフルエンザ対策として、是非ワクチンを打って頂きたい。




結論は、乳幼児のインフルエンザワクチンについては、

その有効率が20-30%であることを説明した上で、
脳症への効果については今の所、良く解らないが、
そもそもかからなければなる事もないだろう
、というスタンスで
説明・お勧めする程度である。

ワクチン以上に、インフルエンザの流行がより小さくなる、
持ち込まないように、周りが気を付けよう、
というのも大切である。


『周りが気を付けよう』 というのは、何もワクチンを皆打て、という訳ではなくて、
手洗い・うがい・マスク、などの感染対策 も含まれる。

 『インフルエンザ 感染の予防』 参照。




その他の質問であるが、

どれ位で効果が出て、どれ位続くか?
効果は、接種後2週目頃から効果が現れ、半年近く持続する、とされている。




乳児はいつから打てるか?
インフルエンザワクチン接種に年齢の下限の規定がない。
通常は生後6カ月以降とされているが、
そのメリットは幼児よりさらに低いかもしれない、
と説明の上、希望者に対して接種するのが実際的となっている。




ワクチンで重症化を防げる?
過去にインフルエンザの既往のある人が罹患し難い事実、
ワクチンによって抗体価が上昇する事より、
僅かであったとしても、ワクチンはインフルエンザに対する免疫力を
高めているはず、と考えられている。

証明することは困難だが、
肺炎などの重症化を防ぐ可能性は十分にあると考えられる。



とりあえず、完全に インフルエンザの感染を防ぐ事を期待するワクチンでは無い、
事は御理解頂きたい。





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今回は、『妊娠中に脳内出血を起こした東京女性が7病院に受け入れを断られた問題』 について、
実際の当直体制について、である。

非常に残念な出来事で、亡くなられた妊婦さん、御家族の方々に深甚なる哀悼の意を表します。

またか・・・・と思われる方もいらっしゃると思うが、現実的には奈良事件の後、医療問題は何も
解決していない。

これは、病院のせいでも、東京のせいでもなく、全国で今後も起こるであろう問題で、
本当に何とかしないといけない事である。




その他の、『医師不足』 の記事についても、参考にして欲しい。
(もっともっとたくさん記事はあるがこれらが代表的な記事である。
 詳細は医療問題についての目次参照)

 医師不足①
 日本の医療が崩壊する?!
 地方医療の崩壊
 医療クライシス:忍び寄る崩壊の足音②
 医師不足 4万人
 東十条病院:来月末で全科休止





↓ クリック宜しくお願い致します。
  

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妊婦受け入れ拒否死亡:当直、研修医1人
2人体制維持できず--都立墨東病院

                            2008.10.23  朝日新聞
      http://mainichi.jp/select/science/news/20081023dde041040086000c.html

妊娠中に脳内出血を起こした東京都内の女性(36)が7病院に受け入れを断られた後に死亡した
問題で、最初に受け入れを断った都立墨東病院の当直医は 『シニアレジデント』 と呼ばれる
研修医だったことが分かった。10月は研修医が1人で当直する日が4日あったという。
墨東病院は6月、シニアレジデント当直の場合は 『原則として母体搬送の受け入れを制限する』
と関連団体などに文書で通知していた。

経営する都病院経営本部によると、墨東病院の産科は6月末に医師1人が退職したことから、
当直2人体制を維持できなくなった。このため関係者に対し、7月からの土・日曜と祝日の当直体制に
ついて 『1人当直である上に、シニアレジデント当直の場合もありますので、ハイリスク分娩への
対応は困難』 と、受け入れ制限を文書で伝えていた。

シニアレジデントは2年間の初期臨床研修を終え、専門医を目指してさらに研修中の後期臨床研修医。
都によると、今回受け入れを拒否した医師は免許取得から4年だった。

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違う記事にはこう書いてある。

『墨東病院の産科医師は、7月からは常勤3人、研修医3人
で当直に当たった。平日の当直は2人だったが、週末は1人で・・・・』


つまり、スタッフは6人、半分はレジデント。

そもそも完全にスタッフが足りない。

毎日2人ずつ当直をすれば、単純に 1人月10回。


当直ってのは夜勤ではなくて、朝から出て翌日の夜まで仕事がある。

現実的には不可能であり、週末は1人体制も止むを得ないと思われる。


また、レジデントは、どこの病院でも1/3から1/2以上の仕事を行っている。

レジデントが一番働いていて、一番の戦力である病院も多い。

今の医療はレジデント無しでは到底廻らない。


言いたい事は、『医師不足』 でやむを得ない・・・・という事では決してなく、
『医師不足』 『救急医療』 の問題を、もっともっと、マスコミ・国民が本気で考えないと・・・・
という事、である。


レジデントが当直しなければ、『月20日の当直』 であり、通常業務もままならない。

レジデントが当直する事、断る事が悪いのではない。

事前の周囲への文書通達も出しており、SOSは出している。


当然、今後も同様の出来事は起こる。






こどもの 『発熱時の対処法』 は非常に重要な事であるが、その具体的な方法
については、外来診療中に細かく指導出来ていないのが現状である。


今回は、『発熱時の対処法について』 である。





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こどもが発熱したら


こどもが発熱した時は、暖めず、むしろ、着ている服を脱がせて
薄着 にする。

『寒そう』 と気を利かせて、おばあちゃんがたくさん服を着させてくれたりするが、
こどもにとって 逆効果 となる事が多い。


汗をかく事で熱が放散されて、一時的に体温が下がる事も多いが、

汗をかく事による体力の消耗、
熱がこもって余計に体温が上昇する、
水分蒸発による脱水の危険、
  などがある。


こどもは薄着にして熱を外に逃がすだけで、体温が下がる事も多い。


暖めなければいけないのは、病気に伴い体温が上がりかけの時で、
悪寒(震え)がある時、こどもが寒がっている時、だけで良い。


その場合もいったん体温が上昇してしまい悪寒が無くなれば、
また薄着にしてあげる。その繰り返しとなる。


アイスノンなどで冷やす場合は、
大腿(太もも)、脇の下、首の周り、などを冷やすと
大きな血管が走っていて効果的
 である。


おでこを冷やしても殆ど体温は下がらないが、こどもが
『ひんやりして気持ち良い』 と言うなら、してあげれば良い。


あとは、しっかり水分を取らせる。
休養を取らせる。安静にする。




解熱剤は元気なら必要無い。

  『解熱剤について』 も参照。


これも汗をかかせる事と同じで、
病気が治るまでは座薬で熱を下げても
その後また体温が上がってくる事が多く、
体温の上げ下げが体力を奪う。



通常の熱そのもので頭がおかしくなる事は無い。


真夏の車中に長い時間、閉じ込められた、などで、
体温が43℃以上になったという事態とかは別である。


熱そのもののせいではなく、熱の原因が髄膜炎・脳炎などによるもの、
あとはひどい痙攣、ショックなどが重なると頭に障害が残る事がある。

これらは症状が強く、すぐ判別が付くと思われる。


こどもの発熱時は、
元気かどうか、水分が充分摂れているか、
嘔吐・咳・痛みなどが強くないか、
今までに出た事が無い症状(発疹、出血など)が無いか、

などに注意する。


発熱時の入浴については、『発熱時の入浴』  を参照。





以前、大笑いした出来事である。

また思い出したので再度出す。






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小さいこどもが二人で遊んでいた。










男の子  『しりとり、しようよ』










女の子  『いいよ』








男の子  『最後に 『ん』 がついたら負けだよ。
       『まんが』 は真ん中に 『ん』 がついてるから大丈夫。
       『ま』 と 『が』 の間に 『ん』 があるからね』







男の子が結構詳しくルールを説明している





『しりとり』 がよほど得意なのだろう。













女の子  『分かった。じゃあ、わたしからいくよ』
















男の子  『いいよ』




















女の子  『ぶどう』












































男の子  『うどん・・・』












はい、終了・・・・。










今回は、気管支拡張剤、β(ベータ)刺激薬についてである。



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β刺激薬


正式には、β2(ベータツー)アドレナリン受容体刺激薬、という。


気管支平滑筋にある交感神経のβ2受容体を刺激して、
収縮していた平滑筋を弛緩させ、気管支を拡張する作用をもつ薬剤である。


β刺激薬は、最も強い気管支拡張作用を持つ薬剤 である。

内服薬・注射薬・貼付薬・吸入薬、と様々な剤形がある。


一般に短時間作用型のβ2刺激薬の吸入では、
即効性で、吸入直後から
2-3分以内に効果が得られ、少量で有効で、
全身的な副作用が出にくい。



β刺激薬の副作用としては、
動悸、頻脈、振戦(手指などの細かいふるえ)、脱力感、頭痛、めまい、などがある。


交感神経の受容体のうち、β受容体にはβ1受容体とβ2受容体があり、
主にβ1受容体への刺激は心臓への刺激、腸管抑制などに関わり、
β2受容体への刺激は気管支拡張、血管拡張などの作用がある。


β1受容体を刺激せず、
β2受容体だけに作用すれば副作用は少なくなる。



後から開発された薬剤ほど、効果が長く、心臓への負担が少ないとされている。

近年開発されたβ2刺激薬は、よりβ2受容体のみに効くように作られていて、
このような副作用は稀となった。



β刺激薬は気管支喘息発作を押さえるためにはなくてはならない薬である。


しかし、気を付けなければいけない点がいくつかある。


まず、β刺激薬には喘息の本態である気道炎症を抑える効果はない。


長期に使用する場合は、必ず、抗炎症作用のある
吸入ステロイド薬や抗アレルギー薬と併用する。


発作時の使用についても、β刺激薬の使用回数の増加は、
喘息の悪化と治療の再検討の必要性を意味している事を忘れてはならない。


発作がおさまったから良い、ではなくて、
発作を起こさないように普段の治療を考える必要がある。



また、発作時に繰り返し吸入が必要な場合は、速やかに救急受診が必要である。




β刺激薬吸入を反復使用しても大丈夫か?


『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005』に、β2刺激薬は、
医療機関では、20-30分間隔で3回まで反復可能
と記載されている。

現在のβ刺激薬では頻繁に吸入する事で心負荷をかける事は無い。

実際には頻回に使用出来るが、自宅では頻繁に使用するのは危険である。


β2吸入薬過剰使用により、

・コントロール不良になる。
・β刺激薬吸入への過度依存・過信をしてしまい、
 容態の悪化を見落とし救急受診が遅れ、手遅れの状態になる。
・徐々にβ刺激薬が効き難くなる(耐性)。

などが起こり、発作悪化・喘息死の原因となる。



『ホクナリンテープ』 は、皮膚に張りつけるβ2刺激薬である。

皮膚からゆっくりと薬が吸収されるため、その効果は12時間以上も持続する。

主成分は他の気管支拡張薬と同じであり、
吸入や内服などの他の気管支拡張薬と同時に使うと、
薬効がかぶって副作用が現れる可能性がある。

また、薬を張った皮膚がかぶれるなどの皮膚の症状が出る場合がある。






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