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2004-2005シーズンは、
発熱→のどでの迅速検査→インフルエンザと診断→タミフル内服、
というワンパターンの診療だった。


インフルエンザ脳症の報道、タミフル の認知度が上がった、
などの影響である。

今回はインフルエンザの治療薬 『タミフル』 についてである。

 
インフルエンザ治療薬 『タミフル』 については、
 『タミフル:インフルエンザの季節控え、多用ご注意』 
 『タミフルと異常言動』
 『転落死の中2、タミフル服用か インフルエンザで 愛知』
 『中2がタミフル服用後に転落死 仙台』
 『タミフル:転落死との因果は未解明 では、どう付き合えば』
 『タミフル 10代の使用制限』   


その他のインフルエンザ関連の記事では、
 『インフルエンザ』
 『インフルエンザ治療薬 リレンザについて』
 『乳幼児のインフルエンザワクチン』
 『インフルエンザ 感染の予防』               なども参照。

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インフルエンザの高熱は通常2-5日位続き、全身症状が普通のカゼより強い。

タミフルを使用することで、特にインフルエンザA型の場合、
発熱期間が1-2日短縮 する事が認められている。


インフルエンザウイルスを倒す薬ではない

ウイルスの増殖を抑える薬である。

ややこしいが、ウイルスはどんどん増えていき、症状を悪化させるが、
その増殖を抑え、結局、倒すのは、自分自身の力である。

ウイルスを多くさせないで、自分で倒す、時間稼ぎのようなものである。

タミフルは、『ノイラミニダーゼ』 の作用を抑制する。

ウイルスは感染細胞で増殖した後、『ノイラミニダーゼ』 の作用により、
感染細胞外に出てくる。

『ノイラミニダーゼ』 の働きを抑制すると、インフルエンザウイルスは、
感染細胞で増殖したものの、感染細胞から離れることが出来なくなる、
という訳である。


また、残念ながらタミフルで脳症を予防出来るという報告は今の所無く、
タミフルを内服していても脳症が発症した児も居る。


もちろん、脳症の治療には有効であると考えられ、
脳症の疑いが強い時には積極的に使用する。


脳症の疑いのある児とは、
けいれん・意識障害が続く、あるいは繰り返す
などの神経症状が強い場合である。


インフルエンザの治療は安静が第一である。

普通のこどもなら、
インフルエンザはタミフル内服せずとも自然に治る。


一般的な発熱時の注意通り、乳幼児は脱水症状を起こし易いので、
こまめに水分を取る事も大切である。


しかし、基礎疾患がある児、全身症状が強い児 では、
タミフルを使用する事を考慮する。

2005-2006のインフルエンザシーズンでも、
タミフルによると思われる有害な事柄について報告された事、
新型インフルエンザのためにタミフルを備蓄する方針、のため、
タミフルを処方し難くなった。

結局、有効性の低い、リスクの低いこどもにはタミフルを処方しなかった。


有害な事象とは、タミフル内服した児が異常行動により死亡した例の報告である。

専門家の間では、インフルエンザそのものによる症状の可能性も否定出来ない、
という意見が多い。


乳児へのタミフルの使用に関しても、動物実験の結果より、
『1歳未満の乳児に対する安全性は確立していない』
となっている。


しかし、その後、日本小児科学会で行われた1歳未満の乳児800人程の
タミフル副作用調査では重篤な副作用は報告されていない。

ただ、調査数としてはまだまだ不十分であり、安全性について現時点では何とも言えない。


つまり、現時点では、小児に対する
タミフルの安全性ははっきり認められていず、
タミフル内服のメリットが大きいと考えられる場合に限り

使用すべきである。


有効性が低いと考えられているのは、
発症してから48時間以上経っている場合、
インフルエンザB型、
などであり、

健康な児、全身状態が良好な場合 も、
タミフルを内服するメリットは低い。


これらの場合と、安全性が認められていない1歳未満の乳児には
タミフルを使用せずに様子を見れば良いと思う。


ただし、全身状態の評価というのは、主観が入るため、かなり難しい。


タミフルの安全性をはっきりさせるのはかなり難しい。


新型インフルエンザの事もあり、
タミフル自体はもともと数年前には無かった訳だから、
切り札的な薬と考えておいたらどうだろう。



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はじめに

自己紹介

自分は、総合病院 小児科に勤務している小児科医である。

現在は、ある市内で最も大きな小児科の規模を誇り、
小児救急とNICUを掲げている病院で働いている。


仕事は大変忙しいが、その分やりがいも多い。

以前の病院は、かなり忙しく、幾多の修羅場をくぐってきて、
様々な病気も診てきたつもりである。

世界で何例かしかない病気も診る事が出来た。


専門領域は、『感染・免疫・アレルギー』、『新生児』、『救急医療』、であるが、
いわゆる市中病院(大学病院、小児病院以外の病院)では、
あらゆるジャンルのこども達を診ている。

要は 『何でも』 診なければならない。


救急処置で、文字通りこどもを 『救命』 する事も大事で、
実際、1000g以下の超低出生体重児、重症な新生児仮死のこども、
心肺停止・痙攣重積のこども、などは 『助けた!!』 という感が強い。


しかし、時間的には 『緊急の疾患』 でなくても、
どうしたらいいか悩んでいる患者さん、親御さんは、
それ以上に何十倍も何百倍も多いはずである。

その人達の助けになる事は、もっともっと大事だと考える。


このブログの記事が何かその助けになれば幸い、と言う事で書き出した。


なので、

何か聞きたいこと、分からない事があれば、
御気軽にコメントまで。





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