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小児科はじめ、こどもの診察が難しい、親御さんにとって疑問・心配が多いのは、
小児患者が成人と大きく異なるからである。

小児患者の特殊性をよく理解する事が大切である。


①症状の出方が大人と異なる。

 ・ 個人差が大きい。
 ・ 症状の変化が早い。
 ・ 小さい子ほど典型的な症状を呈し難い。
 ・ 全身症状に陥りやすい。
 ・ 脱水症状を起こし易い。


②情報は本人からで無く、家族から得る事が多い。

いつから、どこが、どのように、どうか、はこどもが何か訴えたかどうか、
家族が気付いたかどうか、その程度も見た人に訴え方がまちまちである。


③診察に対して、恐怖・不安のため非協力的である。

大人と比べて診察が難しく、かつ診察・検査にて情報が得られ難い。


④年齢(月齢)、季節によって好発する病気が異なる。

いつでも年齢、学校・幼稚園・家族での感染症の流行状況、予防接種歴、
などに注意する。





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喘息という診断が付くと、その重症度に合わせて、
しっかり治療していく必要がある。

今回は、『喘息の重症度の判定』 についてである。

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普段の喘息の発作については、親御さんは軽く見積もっている事が多く、
しっかり聞くと結構発作が出ている事が多い。


『喘鳴』 があればそれは喘息発作と判断出来るが、
『咳が出る』 という症状は、喘息発作だけで無く、当然カゼでも出る。

発熱などの他の症状の有無、昼・夜の咳の差、咳が続く日数、
などで総合的に判断する。


『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン』では、
喘息の重症度に応じて、長期管理薬の段階わけ(ステップ)がしてある。


具体的な治療については、『喘息 長期管理薬について』 を参照。


 ①間欠型 (ステップ1)
  咳嗽、軽度喘鳴が年に数回。短期間で改善し、持続しない。

 ②軽症持続型 (ステップ2)
  咳嗽、軽度喘鳴が月1回から週1回。
  時に呼吸困難あるが、日常生活の障害は少ない。

 ③中等症持続型 (ステップ3)
  咳嗽、軽度喘鳴が週1回から毎日。
  時に大発作・中発作となり日常生活が障害される。

 ④重症持続型1 (ステップ4-1)
  毎日、週に1-2回大発作・中発作となり、日常生活が障害される。
  重症持続型2 (ステップ4-2)
  ステップ4-1の治療を行っても症状が持続する。
  しばしば時間外受診し、入退院を繰り返す。日常生活に制限。


喘息発作の症状についての詳細は、『喘息 発作の程度の判定』 を参照。

大発作はまず入院、中発作は医療機関での治療を必要とする事が多く、
医療機関での治療に対する反応が悪ければ入院となる。


紛らわしいのだが、『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン』の重症度と、
日本アレルギー学会作成の成人のガイドラインや欧米のガイドライン
(喘息予防・管理国際指針 GINA)との間では重症度分類が異なる。


成人・GINAの間欠型は小児の軽症持続型に、
成人・GINAの軽症持続型は小児の中等症持続型に、
成人・GINAの中等症持続型は小児の重症持続型にあたる。


また、既に喘息治療を受けている場合には、
現在の治療ステップを加味して重症度を判定する事になる。


つまり、既に軽症持続型の治療をしているにも関わらず、
軽症持続型の症状が出る場合には、軽症持続型と判定せず、
中等症持続型と考え、治療変更を考慮する。


現在の症状が軽症持続型の場合、

 A.現在受けている治療がステップ1→軽症持続型(ステップ2)
 B.現在受けている治療がステップ2→中等症持続型(ステップ3)
 C.現在受けている治療がステップ3→重症持続型(ステップ4)
 D.現在受けている治療がステップ4→重症持続型(ステップ4)


現在の症状が中等症持続型の場合、

 A.現在受けている治療がステップ1→中等症持続型(ステップ3)
 B.現在受けている治療がステップ2→重症持続型(ステップ4)
 C.現在受けている治療がステップ3→重症持続型(ステップ4)
 D.現在受けている治療がステップ4→重症持続型(難治・最重症)

と、重症度がランクアップする。


重症度の把握、重症度に応じた適切な治療、
が大切である。







喘息は症状が長期化しやすいので、
薬も長期間吸入したり、内服したりしなければならないことが多い。

喘息の患児・親御さんには、薬の副作用を心配し、
早く薬を止める事を強く望む人が居る。

中には勝手に中止してしまう人さえ居る。

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喘息治療薬には、それぞれに多かれ少なかれ副作用があるが、
長期間吸入したり内服したりすることを前提に検討が行われている。


当然、医者も副作用を心配しながら薬を処方しており、
不要と思われる薬は減量していくつもりではいる。


ただ、症状が落ち着いたらすぐに薬を止める、という訳にはいかない。

喘息のこどもでは、症状が落ち着いたように見えても、
気管支の炎症が残っている事が多い。



こどもの喘息を大人まで持ち越さないように、
充分に気管支の炎症の沈静、発作の予防をしていく必要があり、
『薬を止めても良い』 という主治医の許可が出るまでは、
しっかりと薬を続けなければならない。


喘息発作を繰り返すことにより、
気管支の組織に『リモデリング』を起こしてしまう。


リモデリング(気道の再構築)とは、炎症が続く事で、
気道上皮のすぐ下にある基底膜という部分が
次第に厚くなり、硬くなり(線維化)、その結果、
気管支拡張剤によっても広がり難い状態になる事である。



このような変化は喘息発作や発作の急激な悪化を起こさせやすくし、
さらに喘息症状を重症化させる。


当然、薬の副作用には気を配る必要があるが、
しっかり薬を吸入したり内服したりしなければ、
不完全な治療のために気管支の炎症が残り、
すぐにまた発作が起こる、気管支の炎症が悪化する、
さらに発作が起きやすくなる、


という悪循環の中に落ち込んでしまう。


そうならないために、必要な薬を、必要な期間、
しっかりと続けることが重要である。

 『喘息とアドヒアランス』 も参照。


具体的な副作用については、
『小児の吸入ステロイドについて』『小児でのテオフィリンについて』
『β刺激剤について』  などを参考にしてもらうが、
テオフィリン・気管支拡張剤は通常量で使用しても副作用が出る場合があり、
副作用の面からも、吸入ステロイド薬、抗アレルギー剤が使用を勧め易い。

吸入ステロイドは通常量の使用であれば、
副作用は他の薬よりはるかに頻度が低い。






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視力測定にはいろいろな方法があるが、乳幼児では正確に測る事が困難である。
こどもは一体どれ位の視力があるのか、実際の所、はっきり解っていない。

生まれたばかりの赤ちゃんは、『目がよく見えない』 と思われているが、
まぶしいと目を閉じるだけでなく、
かなり細かい縞模様にも反応することが確認されていて、
新生児といえど、もちろん目は見えている。

むしろフォーカスがぼやけている状態に近いと考えた方が良いかも知れない。


実際、新生児の視力は検査法、報告者によってばらつきがあり、
明暗を感じるだけ、と言った報告から、
0.01‐0.07前後と言った報告がある。

新生児は20‐30cm位離れたものが一番良く見えるとも言われている。


成長につれて視力は発達していくのだが、大体こう言われている。


  6ヶ月 視力0.05-0.1程で、この頃より3歳頃までの間に急成長する。
  1歳  視力0.2-0.3、窓から遠くの物を見るようになる。
  2歳  視力0.5-0.6、遠くの物と近くの物が区別出来る。
  3歳  視力0.8程度、視力1.0以上の子供が67%になる。
  4歳  視力1.0以上の子供が71%になる。
  5歳  視力1.0以上の子供が83%になる。
  6歳  殆どのこどもがほぼ大人並みの視力になる。

こどもは、大人以上に細かい物、自分の好きなもの、
遠くの看板のキャラクターなどを見つける事が多く、
1歳児でも1.0近くあるんじゃないか、などと思う事も多々ある。

こどもは一般生活をしている感じでは、大人と遜色無く、
かなり視力が良いのではないかという印象がある。


ただ、検査で言う、『0.3』 と言う結果は、
多くの場合 『0.3しか見えない』、と言う事では無くて、
『少なくとも0.3は見えている』
と解釈すべきである。





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腸重積症も緊急性のある疾患のひとつである。

腸重積症とは、腸が腸の中に入り込んでしまう病気で、
最も多いのは小腸の末端(回腸)が、大腸の始まり(結腸)の部分に
入り込んでしまう形(回腸-結腸型)である。

めり込んだ腸は強く締め付けられている ので、
時間が経ち過ぎてしまうと、その部分に血液が行かないために
腸が駄目になってしまう(壊死) ので、
早期発見が大切である。

発症は、生後4ヶ月位の乳児から見られるが、ピークは2-3歳 で、
6歳以上には少ない。

男女比は4:1と男児に多く、頻度は1000人に1-4人で、春と秋に多い。

その殆どははっきりした原因が無いが、腸重積症の乳幼児からは、
アデノウイルス、ロタウイルスなどが便などから検出される事があるため、
ウイルス感染を引き金に腸のリンパ組織が腫れて
入り込み易くなるのではないかと考えられている。

腸重積を繰り返す場合、年長児で腸重積を起こす場合、
回腸-結腸型以外の場合は、メッケル憩室、消化管ポリープ、悪性リンパ腫、
アレルギー性紫斑病、などがある場合があるが、
何か腸に原因があるのは、2-4%程度 と言われる。


症状は、『間欠的腹痛』『嘔吐』『血便』が三大症状 である。

『間欠的腹痛』は、
『突然激しく泣く(数分)、ケロッとする(15-30分程)』
というような事を繰り返す。

『血便』は典型的にはイチゴジャムのような鮮血便となる。
時間が経過すると徐々にグッタリしてくる事が多い。

ただし、『間欠的腹痛』90-95%、『嘔吐』70-75%、
『血便』60%、三大症状が全て揃うのは40-50%程

と言われているため、全部揃う事は多くは無く、
疑わしい時は早目に受診すべきである。

小児科学会誌の最近の論文では、腸重積の症状のうち、
腹痛44%(不機嫌含む81%)、嘔吐55%、血便33%(浣腸血便含む84%)で、
3大症状揃うのは2%
(不機嫌、嘔吐、浣腸血便とすると35%)
 と報告されている。

年齢で症状の出方も異なり、
2歳未満では腹痛16%、嘔吐67%、血便42%、
2歳以上では腹痛97%、嘔吐32%、血便9%、と出難い症状もあり、
注意が必要である。

腸重積の診断は、大抵の小児科医なら、
超音波検査にてほぼ100%診断出来るが、
なかには紛らわしい例もあり、診断と治療を兼ねて、
『非観血的整復法』 を行う事もある。


『非観血的整復法』 とは、手術をせずに腸重積を治す治療法で、
発症から24時間以内であれば、9割以上 の例で整復する事が出来る。
お尻から空気、造影剤、などを注入し、圧力をかけて、入り込んだ腸を押し戻す。

しかし、この方法で腸が元に戻らなかったり、
発症後24時間以上経っている場合 には、
整復にて腸が破れてしまう危険性があり手術が必要となる。


再発は10%位 のこどもに起こり、
初回の発症から6ヶ月以内が殆どである。





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水イボの正式名称は 『伝染性軟属腫』 と言い、
ポックスウイルスによるものである。

中心に白い芯があり、中心部分が少し凹んだ形をしている。
普通は2mm前後だが、小さいものは0.5mm、大きいものは5mm程になる。
首、腋の下、側胸部、臀部、陰部、などに好発する。痒みは無い事が多い。

水イボが出来るこどもの殆どがアトピー性皮膚炎の体質を持っている。

アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥して微少な『 キズ』 が多数あるので、
ウイルスに対する防御力が低下した状態となっているからである。

以前は、『プールには入れないので、水イボを取ってもらって下さい』、
という保育園が多かったが、平成11年4月1日より学校保健法が改正され、
水イボは 『原則としてプールを禁止する必要はない』
という事が公に認められるようになった。

水イボは肌と肌の接触や、ウイルスの付着したタオルなどを介して感染するが、
感染力は決して強くない。

プールの水で感染する事は無い。

従って、水イボが出来ている部位を他の児が出来るだけ触らない事や、
タオルを共用しない事に注意をすれば、原則としてプールを禁止する必要は無い。

ビート板が感染源として疑われるケースもあるが、使用後に良く洗えば問題は無い。

原因がウイルスなので、有効な薬は無い。

ただし、一度かかると免疫ができるので、2回かかる事は無い。

皮膚の表面で感染が拡がって、徐々に水イボの数は増え、
一つ一つも大きくなるが、やがて体にウイルスに対する免疫が出来ると
自然に治癒する。

水イボは、目に見える大きさになるまで1ヶ月の潜伏期間があるので、
体に免疫が出来るまでは、治療してもまた他の場所に出てくる事が多い。

抗体が出来るまで、早い人で6ヶ月、遅い人で2年位かかる
つまり、通常は半年-2年で自然に治ってしまう。
95%の児は1年以内に自然治癒すると言われている。
基本的には放置し、自然治癒を待つのが良い。


水イボの治療法として、

・ピンセットによる摘除
  専用のピンセットで水イボをひとつひとつ摘み取る。
  水イボを取ることに関しては確実な方法だが、痛みを伴う。

・硝酸銀ペースト法
  硝酸銀という薬品を用いて、水イボの部分を腐食して除去する。
  薬を付けて乾かすだけなので、殆ど痛みは無いが、
  とれるまでに少し時間がかかる。
  小さなイボには効果的だが、大きなイボの場合は
  繰り返し治療しないと取れない。
  また、硝酸銀が周囲の皮膚に付着すると、周りが傷になってしまう。

その他、液体窒素による凍結療法、抗ウイルス薬(ビダラビン)を塗る治療法、
漢方薬(ヨクイニン)の内服、などもあるが、効果は個人差がある。


水イボの治療の目的は、水イボが自然治癒するまでの間、
こどもが社会生活を制限されないように、
水イボの数を減らす事
 である。





突然の嘔吐で始まり、元気がなくなる。

発作性に何回も続けて嘔吐する事が多く、
『自家中毒』 『周期性嘔吐』 とも呼ばれる。


2~8歳の痩せ型のこどもに多い。

性格的には神経質なこどもが多く、男児に多いと言われている。

もともとの体質に加え、カゼなどの感染症、肉体的・精神的疲労、『ストレス』、
食事量の極端な低下、などが発作の引きがねになる。

『ストレス』 と言っても、大人の 『ストレス』 とは少し異なる。


入園・入学、運動会、遠足、発表会、などの行事、
たくさん遊んだ日、デパートへの買い物、遠出、など、
日常生活と異なる楽しい事、はしゃぎ過ぎ、頑張り過ぎも、
こういう体質のこどもには 『ストレス』 となり

当日の夕方・翌日に発症する。

人間の体は主にブドウ糖をエネルギー源としているが、
そもそもこどもはブドウ糖の蓄えが少ない。
痩せ型のこどもは特にブドウ糖の蓄えが少ない。

食事が食べられないと、肝に貯蔵されているグリコーゲンを
ブドウ糖に変換して使用するが、その代償機能も数時間しか持たず、
すぐにグリコーゲンは枯渇する。

糖分が枯渇した後は体にある脂肪を燃やしてエネルギーを作ろうとする。
脂肪を燃やした後に出るカスがケトン体で、
ケトン体が多量に作られると処理しきれず体内に溜まっていく。

体内にケトン体が溜まると気持ち悪くなる。

嘔吐により糖分が摂れず、更に脂肪が燃やされ、
ケトン体が溜まるという、悪循環になる。

回復が速いこどもで半日程、通常2~3日程で症状は改善する。

頻回な嘔吐による脱水症、糖分不足のための低血糖
などが問題となる。

悪循環となり嘔吐が頻回になる前に
少しずつでも水分・糖分を補給する事が重要である。



胃腸炎による嘔吐のこどもでは、
お茶・スポーツ飲料などの吸収の速い飲み物を少量ずつ与えるが、
これらのこどもの場合、糖分の補給もより多く必要なため、
出来ればスポーツ飲料、果汁、ジュースなど糖分を含む飲み物を
少量ずつ、繰り返し与える 方が良い。


食事は脂肪を制限して、おかゆ、うどんなどの糖質などを主体に、
少量ずつ何回もに分けて繰り返し与える。

既に嘔吐により口から水分摂取が充分に出来なくなってしまった場合には、
早目に病院へかかり点滴にて糖分を補給する必要がある。


予防としては、『ストレス』が加わった時は糖分を
早目にいつも以上に摂る事で、
脂肪の分解・ケトンの産生を抑える。

ジュースでもお菓子でもアメでも構わない。

ただし甘いものでも脂肪分の多いものは禁物である。

その他、食事を抜いて空腹のまま、就寝しない、適度のおやつを食べる、
普段の食事で脂肪を摂り過ぎない、などが生活上の注意となる。

成長とともに症状、頻度が少なくなっていき、
小学生になる頃には自然に無くなる事が多い。





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フォローアップミルクとは、
離乳食で不足する栄養成分を補う事を目的に成分を調整した栄養食品であり、
母乳や離乳食の代用品ではない。

実際には離乳が進み3回食となる離乳後期(9ヶ月頃)から、
幼児(36ヶ月位)までに使用されるが、
無理にフォローアップミルクや牛乳に切り替えたり、
与えたりする必要性は無い。

育児用ミルクは母乳と同様に離乳が完了するまで
用いて良い。



では、どういう時にフォローアップミルクを選ぶのかというと、

厚生省の『改訂 離乳の基本』によると、

『1歳近くになり何らかの理由で離乳食の摂取が少なく、
タンパク質などの不足が懸念される場合、
鉄欠乏の恐れがある場合に 』


と書かれている。


簡単に特徴を言うと、フォローアップミルクは育児用ミルクと比べ、

 ①蛋白質が多い。
 ②鉄分が少し多い。
 ③カロリーが若干低いか同程度である。
 ④銅、亜鉛が入っていない。
 ⑤価格が安い。

メーカーによって成分に大差は無く、
ラクトフェリンやDHAなどが多少添加されている位である。


多いとされる鉄分だが、育児用ミルクの倍も入っている訳でなく、
育児用が6-7mg→フォローアップが8mgと若干多いだけの事が多い。


牛乳は身近にある、安価で、かつ良質のタンパク質やカルシウムの
供給源として大変有用な食品である。

しかし、幾つかの理由で月齢の低い乳児には適さない。


『改定 離乳の基本』で、

満1歳になるまでは牛乳は、
調理用としての使用は認めているが、
飲用はすすめていない



『乳児期に牛乳を母乳または育児用ミルクの代替として与えた場合
 (1日400ml 前後ないしそれ以上)、
 鉄欠乏性貧血が生じる危険が高まる。

そして、鉄欠乏(貧血に至らない軽度の欠乏でも)は、
2歳以下で3か月以上続くと、
乳児の精神運動発達の遅れを招く

可能性が高いので、牛乳の投与は控えるべき』 

と記してあるように、1歳以降の使用が良い。


また、牛乳はタンパク質濃度が高く、
乳児期早期には、アレルギー を引き起こす心配もある。

牛乳の欠点を補い、離乳期の栄養補助のために作られたのが、
フォローアップミルクである。

結局そもそも何故作られたかと言うと、
メーカーの商売の都合 が大きい。

育児用ミルクは加工過程が複雑であるため高価であり、
そこで育児用ミルクよりも 加工過程が簡単で安価 な
フォローアップミルクが登場した。

メーカーでは9ヶ月-3才まで続けましょうと言っているが、
離乳食できちんと鉄分が摂れていれば、
そのまま育児用ミルクや1才過ぎたら牛乳を与えても構わない。





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喘息発作の程度の判定は、急性発作時の治療管理を的確に行う上で重要
であるばかりでなく、喘息の重症度を判定する上でも重要である。

喘息の重症度分類においても、『時に中発作となる』 など、と
発作の程度・頻度も重症度の判定基準となる。

発作程度は、小発作、中発作、大発作、呼吸不全の4段階に分かれる。

発作の程度を、『呼吸状態』 と 『生活障害』 の度合いによって判定する。

『呼吸状態』 は、喘鳴の程度、陥没呼吸の程度、起坐呼吸・チアノーゼの有無、
呼吸数、などの項目によって判断される。

陥没呼吸とは、肋骨の下の所がペコペコへこむような呼吸の事である。

『生活状態』 は、動作、会話、食欲、睡眠などの障害程度により判断する。

病院では、さらに、経皮的酸素飽和度(SpO2)、ピークフロー(PEF)、
血液検査データ、なども用いて、総合的に判断する。


簡単に分類すると、

小発作
喘鳴・陥没呼吸軽度、早く歩くと苦しい
『一文』 区切りの会話
横になれる、食事・睡眠は障害されない


中発作
喘鳴・陥没呼吸明らか、安静時・歩行時の呼吸困難
『句』 区切りの会話、やや興奮
横になれず座位を好む、食事はやや困難、時々目を覚ます


大発作
喘鳴・陥没呼吸著明、歩行困難
『一語句』 区切りの会話、興奮
前かがみ、食事・睡眠困難、チアノーゼ・意識低下が出る事もある


呼吸不全
喘鳴減少(むしろ呼吸が出来ない)、陥没呼吸著明
歩行・会話・食事不能
チアノーゼ・意識低下あり


では、発作が起きたら、どうするか。

まず、発作の程度を把握する。


大発作・呼吸不全の場合は、直ちに受診の受診の準備をする。
必要によっては救急車を要請する。

小発作・中発作の場合は、事前に病院から説明を受けている発作時の対応
(β2刺激剤の吸入、β2刺激剤の内服、など)を行う。

それにより発作が改善しなければ、直ちに受診の準備をする。

発作が消失しないが改善傾向である場合は、病院から事前に説明を受けている
発作時の次の対応(一定時間経過した後にβ2刺激剤吸入を追加、β2刺激剤内服追加、
など)を行う。

一度発作が消失しても、その後も発作を繰り返す時には、受診予定日より
早めにかかりつけ医を受診する。

吸入するβ2刺激剤の量、間隔、最大回数、受診のタイミングなどは、
こどもの喘息の重症度、年齢、受診する病院の体制・距離、などにより
異なるので、事前にしっかり指導を受けておく必要がある。





最近、問題視される事が多い、『テオフィリンについて』、である。

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ここ数年前までは、テオドール、テオロングなどのテオフィリン徐放製剤は、
小児喘息治療の基本、中心であった。


テオフィリン製剤の副作用・・・・・・・・嘔吐、興奮、食欲低下、
そして、けいれんを長引かせる可能性が指摘され、
小児、特に乳幼児でのテオフィリン製剤の使用が見直されている。


いわゆる 『テオフィリン関連けいれん』 による
後遺症例があとをたたないからである。


テオフィリンは血中濃度が上がれば誰にでも中毒症状が出る薬であるが、
問題となるのは、使い難いのは、
通常量で使用しても血中濃度が大幅に
上がってしまうこどもが居る
 (特に乳児で上がり易い)、
内服量も血中濃度も普通でも、
副作用の症状が出るこどもが多い事である。


一番多いのは、悪心・嘔吐で5%以上にのぼる。


2005月11月に改訂された 『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005』
でも、テオフィリン製剤の位置付けが大幅に変わっている。


乳児(喘息ガイドラインでは2歳未満)ではテオフィリン製剤は
ガイドラインから基本的に削除 となり、
テオフィリンの使用については、中等症持続型以上において、
追加治療で、かつ使用を 『考慮』 されるにとどまり、

『6ヶ月未満の児には対象とならない。
適応を慎重にして、けいれん性疾患のある児には
原則として推奨されない。
発熱時には、一時減量あるいは中止するかどうか、
あらかじめ指導しておくことが望ましい』


と記載されている。


結局、乳児ではけいれんの素因などまだはっきりせず、
発熱時の対応の指導など、ややこしくて使い難い。


中等症持続型というのは、
『咳・軽度喘鳴が週1回以上、時に中・大発作となり日常生活が障害される事がある』という結構ひどい状態である。

重症持続型に至っては、それ以上にひどい状態である。

 『喘息 重症度の判定』 参照。


幼児(2-5歳)、年長児(6-15歳)でも基本治療から外れ、
吸入ステロイド薬を基本治療として、
テオフィリン製剤は追加治療薬として位置付けられている。


しかも、 『テオフィリン徐放製剤の使用にあたっては、
特に発熱時には血中濃度上昇に伴なう副作用に注意する』という注釈付きである。

やはり使用する場合はテオフィリンの血中濃度を測らないといけない。
重症持続型になって、やっと基本治療に記載されている。


つまり、2歳未満には極力使わない、
2歳以上でも吸入ステロイド薬に足す薬
として位置付けられている。

しかも、過去にけいれんを起こした事があるこども、
発熱時、には使えない。



吸入ステロイド薬でコントロール出来ない児の方が少ないので、
出番は限られている。


同様の理由で、
喘息の急性発作時のテオフィリン製剤の点滴使用も
減っていく
、と思われる。


2005年の冬より、当科外来でのテオフィリンの使用方法は、次のようにしている。

  ・ 使う場合は少ない投与量で使用。
  ・ 副作用については充分にご家族に説明。
  ・ 2歳未満は使用しない。
  ・ けいれんを起こした事がある児も使わない。
  ・ 5歳以下の児で、発熱した場合は、1日1回に減量。


実際、そもそも基本治療として、吸入ステロイド薬でコントロール出来ていて、
テオフィリン製剤の使用頻度は減少している。

テオフィリン製剤は、薬の効果は確かにあるが
(しかし、抗炎症作用は吸入ステロイド薬にはるかに及ばず、
気管支拡張作用もβ2刺激剤にかなわない)、
様々な副作用があって使い難いのは事実である。


ちなみに、テオフィリン製剤には、
テオドール、テオロング、スロービット、ユニフィル、アーデフィリン、セキロイド、
チルミン、テオスロー、テオフルマート、テルダン、フレムフィリン、テルバンス、
など多くの種類の薬がある。


効果と副作用を考えると使い難く、実際の所、現在殆ど出番が無い。






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『レジデント』 とはいわゆる卒後1-2年目の 『研修医』 と呼ばれる初期レジデント、
その後の卒後3-5年目の後期レジデントの事を言う。


レジデントの間は修行の身であり、まだまだ未熟者のため勉強する事も多い。


『医療』 は教科書に載っていない自分の経験で得るものが多く、
数多くの症例に当たるしかない。



点滴などの手技・処置も数多くやらして頂くしか、上達の道は無い。



自分の場合、レジデント時代の病院は極度に忙しかった。


とにかく、毎日、朝早くから夜中まで病院に居た。

朝・昼・夜ご飯は病院で食べて、帰ってから更に夜食を食べていた。


勤務時間は大体7:00頃から23:00頃位で、日付が変わる事も多かった。

重症の患者さんを抱えて何日も帰れない日も多かった。


当直を月6-7回していたが、高度救命センターのある病院であり、
重症患者・救急車が頻繁に来て、当直中は殆どの場合、
食事も摂れず、全く寝れない日ばかりであった。

研修医1年目の時、当直中に睡眠を取れた日は1日も無かった。

もちろん当直明けの日も夜中まで働いた。


かつ、24時間、受け持ち患者さんに急変があると呼び出された。
重症患者さんが多く居る病院であった。

美容院に行っていて途中で呼び出された事もある。
 『緊急呼び出し』 参照。


ちなみにレジデントの 『給料』 は安い。

時給になおすと、コンビニの方がはるかに高い位で、
時給では最低賃金にも満たなくなる。


研修医時代2年間の間、病院に行かなかった日が1日も無い。

最高、月13回当直をした事がある。

など、忙しい自慢はあるが、大方のレジデントはそんな生活であり、
決して真似して欲しくないし、良い事だとは思っていない。


実際、運転中、信号待ちで何回か寝てしまった事もある。


ただ、そういう生活でかなりの経験を積めた。大きな財産になった。
今ではもうそういう生活は出来ないし、するつもりもない。

確かに忙しい時期は必要ではあるが、このような生活では体を壊しかねない。

もっともっと良い環境になって欲しい。


今の病院は今の病院で何かと忙しいが、それでも少し時間が出来て楽している。

ただ、それでも、かなりの時間働いている、拘束されているが。








『こどもの血液型はいつ検査出来ますか』 
という質問を受ける事は多い。

今回は、『こどもの血液型検査』について、である。

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血液型の判定は、血球側(表試験)と血漿側(裏試験)で行っている。

新生児期では、血漿には母親由来の抗体があるため、
血球側しか検査しない事が多い。

血球側の反応は、赤血球膜上のA抗原(『A型ですよ』というサイン)、
B抗原の強さに関係しているが、
新生児では成人の1/3程度の強さで、
2-4歳になってやっと成人並み
となる。


血漿側の反応は、血漿中の抗A抗体、抗B抗体の量に関係しているが、
新生児の検査では母親由来の抗体が反応しており、
生後3-6ヶ月頃から児自身の抗体が産生され始め、
1歳ではほぼ全ての児で抗体が産生
されている。


血液型の確認の検査の時期としては、
生後6ヶ月であれば児自身の抗体が産生され始めていて、
母親由来の抗体も無くなっている為、検査は出来るが、
やはり抗原・抗体の反応性からはより成長した後の方が有利である。


そういう意味では、血液型の確認検査は、1歳以降が良い。


ちなみに3歳で赤血球膜上のA抗原、B抗原の強さが成人並みとなる。

血液型が新生児の頃と比べて変わったという子供は、
新生児期では赤血球膜上のA抗原、B抗原の強さが不十分で、
A型なのにO型と出てしまう、AB型なのにA型と出てしまう、
などのためであろう。





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